特許出願件数にみる日本と世界の状況を比較してみた。
特許庁ホームページ内の特許行政年次報告書2014年版<本編>から一部の図表がダウンロード可能になったので特許出願件数からみた日本と世界の状況をまとめてみました。
2013年までの状況となります。
※本文に表示されている図表は全て特許行政年次報告書2014本編掲載図表から引用しています。
※なお、比較コメントはあくまでも個人の見解です。事実を保障するものではありません。
【日本における特許出願件数の推移】
日本の特許庁に出願された特許出願件数の推移です。ちなみにリーマンショックは2008年9月15日のリーマン・ブラザーズの経営破綻がきっかけです。無関係とはいえなさそうです。
ちなみに特許業界は特許出願件数の推移に連動しているといってよいです。年々縮小してきた経緯があります。また、リーマンショック後、俗に中間バブルと呼ばれる延命期間がありましたが、それも1~2年ほどで終わりを告げ、出願件数の減少以上に大きなダメージがありました。
【中小企業の特許出願件数】
東日本大震災があった2011年から回復基調にあります。着目すべきは2013年。中小企業の特許出願件数は回復基調なのに総出願件数は減っています。後述しますが、外国人が日本において出願した件数はここ数年横ばいなので、つまり大企業が日本で出願する出願件数が減ったといえます。
【世界の特許出願件数】
世界で出願された特許出願件数です。2009年は減少しましたが、それを除けば年々増加しています。世界的にみれば発明や権利保護の意識が高まっているといえます。しかし、居住者による特許出願の伸びが著しいのは後述する米国や中国の状況と無関係ではないのかもしれません。
【五大特許庁における特許出願件数の推移】
三極である日米欧を凌ぎ、今や中国が圧倒的数を誇り第一位です。日本はこのなかで唯一減少してきています。
【日本特許庁(JPO)における特許出願構造】
内国人が日本で出願する出願件数の減少が著しいです。市場としての魅力が低下したのでしょうか。もしくは一部の大企業の出願件数自体が減少したのかもしれません。
【米国特許商標庁(USPTO)における特許出願構造】
外国人と内国人による出願が拡大しています。それだけ市場として魅力があるということでしょう。
【欧州特許庁(EPO)における特許出願構造】
出願件数に大きな変動がありません。総出願件数も五大特許庁のなかで最も低いです。
【中華人民共和国国家知的財産局(SIPO)における特許出願構造】
圧倒的伸び率です。市場が巨大であることも疑いようがありません。
日本、韓国と同じく内国人による出願の割合が圧倒的に高い構造です。
【韓国特許庁(KIPO)における特許出願構造】
経済成長とともに伸びてきています。内国人による出願が増えているのは大企業の躍進が理由でしょうか。
※参考
【日本における弁理士数の推移】
日本における出願件数が減少するなか、日本における弁理士数は増加しています。