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成長しない豊かさ

  • 田中康之
  • 2015年7月12日
  • 読了時間: 2分

「今の時代には、成長させない、豊かさの方向を変えることが必要ではないか」

とご教示くださったのは、株式会社リバーライト代表の岡山晄生さん。

リバーライトといえば料理をする方の間では有名だろう。

親子3代で愛用できるリバーライトのフライパンだ。

ものづくりにこだわり、品質を追求し続けることで、いつしかリバーライトのフライパンは口コミで大人気となった。職人がひとつひとつ作っているため生産が追い付かないほどだ。

今では大人気となったリバーライトだが、これまでの道のりは平たんではなかった。

そもそもリバーライトの革新は、“優秀な金属加工職人が作るフライパン”ではなく、“美味しい料理を作るために最も適したフライパン”を作るとしたこと。そのために料理の知識が必要であったし、優秀な金属加工職人の腕も必要だった。そして最も適した素材は鉄だった。

こうして完成したフライパンだったが、鉄を使用しているため適切に油をなじませたり、その後の手入れなど手間がかかる。

そんななか登場したのがフッ素樹脂加工のフライパンだ。油不要、焦げ付かないなどの利便性は瞬く間にユーザーの心をとらえた。

つまり、美味しいと引き換えに利便性が選択されたわけだ。

この選択は様々な弊害をもたらした。

まず、古き良き技術が流出した。理由は簡単で、職人が食べていけなくなったからだ。今現在も後継者が不足し消滅の憂き目にあっている。

次に人々の意識を変えてしまった。見方によっては破壊してしまったといっていいだろう。良いものを選ばなくなっただけではなく、世代が進んで良いものの目利きができなくなってきている。

しかし、この流れが最近見直されつつある。

良いものを求める声が高まってきているようだ。並行してリバーライトの良さが広く知られるようになり今に至る。

“本当に良いもの”と“利便性の追求”は相反する。

子供が本当に美味しいもの、良いものを知らずに育てば、大人になって自分が子供を育てるとき教えてあげることができなくなる。

利便性だけを追求し続けてもトレンドは次から次へと移り変わり、大量消費されて飽きられたものは未来に何も残さない。

少し立ち止まって、たまには不便さを楽しんでみるのも必要ではないだろうか。

 
 
 

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